ぎふ木造塾第3回 ”日本の建築は、壁に依存してこなかった”
講師は元筑波大学教授 下山眞司氏。
伝統工法の話で楽しみです。
現在の木造建築の考え方は耐力壁により地震力に耐えるように設計しており
又、建築基準法もそのように定めています。
建築基準法が制定されたのが1950年でわずか60年前。
それまでの日本建築は壁に頼る工法は存在していない。
現に法隆寺、東大寺に代表される社寺建築等は800年も前の建物であり
現在も存続している。
存続しているということは800年地震に耐えているという事実。
震災時には倒壊した建物ばかり注目が集まり研究される。
関東大震災や阪神大震災を耐えぬいて来ている古民家や伝統工法建築物は多くあるのに
そちらの研究は一切されない。
今の構造解析でなぜ耐えるのかを計算するのは不可能で学識者に尋ねると
”伝統工法について現在研究中”の回答だそうだ。
近年、伝統工法の計算に利用される”限界耐力設計法”も材それぞれの個性が反映されていない。
主流となってしまった工法を戻すことはできないだろうが
何にでも疑問を持って考える大切さを感じました。
下山眞司氏は持っている全てのデーターをHPで公開しています。
氏の研究データは多くの方に知ってもらって初めて価値があるとのお考え。
すばらしい。