土壁の家 地盤補強

竹鼻の家着工のこの日も良い秋晴に恵まれました。
今日から地盤補強工事を行います。

地盤補強の考え方はいろいろあると思いますが
松井設計室では鋼管杭による工法を主に薦めています。

鋼管杭工法の良い所は何と言っても施工監理がしやすい事。
だれが見ても支持層に達した事が確認でき、支持層内にどれだけ打ち込むかも打説状況から確認しやすく
打設直後なら鋼管の中にスケールを当てれば打ち込み長さも簡単に確認できます。
言い換えれば施工者の技術が低くても適正な監理を行うことである程度カバーすることも可能です。

対照的にセメント系固化材による柱状改良工法。
おそらく木造住宅で最も多く施工されている工法ですが、非常に監理が難しいのが現状です。

一般には打込長さ、オーガーの負荷電流、の監理程度と使用したセメント量の確認が良い所で
一律に規定以上の耐力が確保されているかは確認のしようがありません。
業者まかせ?

海津市や輪之内町などの有機物を多く含む地盤ではセメントの硬化不良による沈下の報告もありますし、
採用するには設計者の適切な判断と監理が必要です。

しかし、今回はあえてセメント系柱状改良を採用。
採用に踏み切った点は、今回敷地は3mと比較的浅い所に支持層があり、
上層も砂質でセメント固化にとても適している事です。

また、業者選定もとても重要。
今回は3社から見積を取りましたが価格には大きな開きが・・。
内容をよく読み解くと安価な業者は2日間で施工完了予定でしたが、1社は丸3日間。

施工計画内容にはかなりの差がある事が分かり、価格だけで判断するのはかなり危険だど感じました。
今回採用したのは、施工に3日間かけて常時3人の作業員で計画の施工店です。

しかしまだ多少不安(信用していない?)なので通常より打説本数を割増して計画しています。

設計事務所勤め時代はこの工法も多数監理してきましたが、
松井設計室を開設してからは実に始めての柱状改良工法。
初日は私も丸1日立会い、現場にて監理をします。

ブレード(羽)の先から水セメントを注入しながら攪拌 土中に600φの柱を作ります。
攪拌速度もゆっくりで上下に約3往復させ時間を掛け1本を作っていきます。

以前見学した現場では1往復と上部1mだけもう1往復でしたので、
その工法に比べると2倍以上の時間を掛けています。
なんとなく安心。
注入するセメント液も70%とまずまず。

セメント粉黛量のチェックも忘れずに。

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